本と文字(我々の本質)


お笑い芸人がお笑いのことを語り、プロレスラーはプロレスのことを語るように、本好き達はいつも読書の意味について、或いはジャンルブームや言論人や賞について下世話に語りたがる。更に、本の存在の前提となる「文字」「言語」について考察することは己を知ることにつながる。

◉本棚:例えば、ラカンの鏡像段階理論について学ぶ時、ヘーゲルの哲学史講義における精神の発展の箇所について知っていると、ラカンが「他者」について示した独自性が顕になる。或いは私が幼少時、父親がコンビニに寄りたい時、頑なに反対車線のそれを無視したことの不可解さを今となってみればまるで手に取るように理解できる。つまり、当たり前のことであるが、我々は何かを見る時、その何かについて理解すればするほどに思考はより広がっていくのである。そういう意味で本棚は世界を知れば知るほどに我々の思考をより深め、まだ見ぬ未開の土地へと誘うのである。

マッチング書棚

読書の相対的立ち位置